
以前、カルテの読み方のお話をしました。
そこを読むと、カルテからの情報収集の仕方のおおよそについて理解できると思います。
今日は看護介入に必要な情報の取り方について、カルテを読むこと以外の方法についてお話します

@患者さん・キーパーソンに直接話を聞く
実習に行くと患者さんの生の声を聞かせてもらえます。
このチャンスを決して無駄にしないようにしましょう。
しかしこの方法では、患者さんの意識レベルや理解度によって正確な情報が取れない可能性があります。
その他の情報と照らし合わせながら情報の整理が必要ですね。
ここで重要な事は、患者さんの病気の受け止め方や治療に対する思いが、合っているのか・間違っているのかを見極めるための情報収集ではないという事です。
どういう事かと言うと、患者さんは医療者サイドから説明を受けたことに対して、患者さんなりの理解を示すという事です。
例えば白血病と診断を受けた患者さん。
近年の治療成績や寛解率を説明されたとしても、その患者さん自身は「白血病=即死」という考えから抜け出せないほどショックを受けていたとします。
確かに白血病になったらだれでも即死するという事はありませんので、この患者さんの捉え方はもともとの先入観などに大きな影響を受けていると言えます。
だからと言って、この患者さんが間違っていると考えてはいけません。
それが、この患者さんの現時点での考え方であり、受け止め方であるというように理解しましょう

あとキーパーソン(家族やごく親しい間柄の人)に話を聞くという事は実際現場でもよく行われている情報収集の手段です。
この時にも注意が必要なのですが、患者さんの理解と、キーパーソンの理解とがどんな場合でも同じというわけではありません。
中には病状についてキーパーソンが知っているけれど、まだ本人には伏せられている内容もありますし当然その逆もあります。
そのため、それぞれ別のタイミングに話を聞く機会をセッティングすることもあります。
患者さんに関する情報はたとえ家族間であっても慎重にやり取りしなくてはいけません。
間違っても医療者の「つい、うっかり」が原因で患者さんの個人情報をむやみに人に知れ渡らせるような事があってはいけません。
A患者さんを観察する
いくらカルテを見ていても、患者さんの状態を実際に見ないことには何も始まりません。
患者さんの検査データを見て、低蛋白・アンモニア高値・貧血などの情報を拾ったとします。
経験があるとデータを見ただけでおよその患者さんの様子が予測できます。
しかし学生時代はまだまだ患者さんの実際とデータがすぐに結びつきません。
目で診て、手で触れて(看護の「看」という字の由来です)確かめてください。
B主治医・看護師に聞く
カルテに書かれていることがわからなかったり、どうしても自分で情報収集できなかったりしたら、積極的に質問しましょう。
先生たちが急いで書いたカルテの字、本人しかわからないという場合がしばしばあります(笑)
ただし質問する前に自分なりに勉強してからにしましょう。
あと、声をかけるタイミングにも注意して下さいね

C申し送り・カンファレンスの内容を聞く
近頃は口頭の申し送りをメインに行っていない病棟が増えてきましたね。
どうせカルテから情報収集するのだから、口頭でさらに申し送りすることは二度手間になるというワケですね。
でも、こういう場合でもナースステーションで自分の受け持ち患者さんについての会話がされている時はよーく聞き耳を立てておきましょう

先生や看護師たちが話している内容が、患者さんの状態を理解する上で役に立ちます。
現場で働くスタッフのカンファレンスの内容からも、多くを学ぶことができます。
以上、看護過程の展開に必要な情報収集の方法についてお話しました。
白紙の情報用紙を埋めるために、一個でも多くの情報を集めて書くことが情報収集の目的ではありません。
この患者さんにどんな看護介入が必要かを明らかにし、適切な介入が出来るようにするための情報収集です。
膨大な量の情報の中から「優先順位が高く、今必要な情報」から集めましょう。
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