
「採血 血管」の回では、採血のコツそのものについてお話しました。
今回は、採血のあとの検体の取り扱いについての注意点についてお話しようと思います。
@検体量を確実に守る
採血の際に血管の選択を慎重に行うようになってから、すっかり採血の成功率が上がった私。
でも、たまに取り直しになることがありました。
それは「量不足」「凝固」が原因です。
看護学生の頃は採血と言えば注射器で血液を採ることだけでハイ、終了

というよりは看護学生同士で採血の練習をしていても、緊張のあまり本当に手元しか見ていない状態でした。
中には自分の血を見てひっくり返るようなクラスメイトもいたほどなので、なんというかもう、実技演習室の様子は異様な緊張感でいっぱいでした

その時採った血液は血沈(赤血球沈降速度)という最近病院ではやっていないような検査に用いたため、スピッツ(試験管のような検体容器)の存在自体あまり知りませんでした。
なので初めて病棟で採血する前に
「ちゃんと足りる量採ってきてよ

と先輩に言われて戸惑いました。
検体量は各スピッツによって決まっています。
これはスピッツにうっすら書いてあるから、ど忘れしてもその場で確認できます

例えば、2ccと5ccの時は合計7cc採ってそれぞれのスピッツに分けて入れればOK。
でも、そんなに簡単じゃないんですよね…。
7cc余裕で採れる場合は良いんですが、4tで止まってしまってなんだか穿刺部位が腫れてきた…。患者さんも痛そうな顔をしている…。
さあ、こんな時どうしますか

まず、駆血帯を外してから抜針して下さい。
そしてアルコール綿でしっかり止血します。
あと3cc足りない…。
でも実は紫スピッツは2ccも入れなくてもちゃんと検査してくれます。
1ccあればいけます。
残りは違うスピッツに入れて下さい。
この時に注意が必要なのは、少なくても検査できるものもあれば、絶対に不足してはいけないものがあるという事。
よくトラブルがあるのは黒スピッツ(止血凝固)の検体量不足・凝固です。
もし、血液の量がちょっと足りなさそうという時には初めに黒スピッツに定量注入してから、残りを多少少なくても検査可能な紫や水色・茶色スピッツなどに分注しましょう。
ま、ちゃんととれていればこんな姑息な(


でも全身状態が悪い患者さんから指定された量の血液を採るのって本当に苦労するんです。
刺し直しが出来ないくらい全身浮腫の場合もありますし…。
臨機応変に対応しましょう。
もし血液量が不足していた場合はスピッツ内で凝固してしまいます。
こうなった場合は、せっかく失敗せずに採血が出来ていたとしてもまた患者さんに我慢してもらう事になってしまいます。
患者さんの苦痛を減らすためには、最小限の回数で採血を成功させること、これに尽きます。
Aスピッツの管理
せっかく採った検体。
正確なデータを取るためには、スピッツを適切な方法で管理して検査室まで運びましょう。
黒(止血凝固)と黄色(アンモニア)は氷冷スピッツです。
採血のワゴンに紙コップに入れた氷を準備しておき、取れたらすぐに冷やして下さい。
結構忘れてしまうことがあります。
あと、スピッツに入れた血液はやさしくコロコロ転がして振りましょう。
張り切って振りすぎると溶血してデータが変わってきます。
以上の点に注意すると、採血のやり直しはさらに減ります

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