
看護学校に入学してすぐに配布される教科書の中で、「基礎看護技術T・U」を開いてみると、目次の一番初めに出てくるのが「コミュニケーション技術」です。
学生の時はあまり何とも思っていませんでしたが、今思えば不思議です。
だって普通教科書って、簡単な項目から徐々に難しくなっていくものですよね

看護師の仕事のベースになるコミュニケーション、私は実はこれが一番難しい看護技術だと思う、というか気付かされたんだと思います

看護学校では基礎看護技術の授業でコミュニケーションの技法やプロセスレコード(患者さんと自分の会話の全てを紙に書きだして分析するもの)の書き方を習うほかに、心理学の基礎や対人援助方法、精神科領域の疾患や看護について勉強します。
特に基礎看護技術や対人援助方法の授業中には学生同士がロールプレイングを通して「傾聴」「共感」「受容」などの面接技術を勉強します。
でも看護師はあくまでも「看護師」であって、患者さんとさし向って話し合うような「カウンセリング」という事はまず行いません。
それよりも日頃の問診や療養上の世話・病状説明の立会いなどさまざまな場面を通して患者さんとコミュニケーションをとることになります。
そのため看護師にはどんな患者さんに対しても、オープンで平等に接するマインドが求められます

今までに何度も壁にぶつかってきた患者さんとのコミュニケーション

相手も自分の生身の人間なので、判で押したようなやり取りにはなりません

そのやり取りの中では、聞き手(看護師)がどんなに患者さんの気持ちに寄り添おうと努力しても、患者さんの気持ちを引き出したり受け止めたりすることが出来ないことがしばしばあります

いや、ほとんどの場合効果的な関わりなんて出来ていなかったのかもしれません。
聞き手のつもりだったはずが逆に、患者さんに励まされたり…

特に自分の受け持ち患者となるとなぜか気合いを入れ過ぎて、かえってスムーズにコミュニケーションが取りにくくなりました

しかも年数が経つほど患者さんの気持ちを深読みしすぎるせいか、硬くなってしまう自分がいました。
そんなとき配膳を手伝ってくれる看護助手さんやクリーンスタッフの方と自分の受け持ち患者さん(ターミナル期でいつもしんどそうにしている人の時は特に)が楽しそうに話をしているとちょっと嫉妬したりして…。
私からは
「さあ、話してみてください。話聞きますよ

というオーラがにじみ出ていたんでしょうね、きっと…。
あとよくあるのがなかなか自分の気持ちを表出しない患者さんの対応についてみんなが困惑している中、新人看護師には本音をポロポロ漏らしている…とか。
必死で向き合おうとし過ぎるより、どこかちょっと看護師っぽくなりきっていないフレッシュ

経験・技術・知識では先輩に勝てなくても、患者さんの気持ちを柔軟にすることができるなんて、新人看護師ならではの立派な武器ですね。
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