
各病棟や外来各部署には必ず1台の救急カートが設置されています

救急カート内には緊急時に備えて沢山の薬剤や処置用物品が積んであります

救急カートのデザイン、というか形自体はちょっとずつ違うかも知れませんが、どこに置いてあるものでも内容はほぼ同じと言えるでしょう。
1段目に薬品類、2段目に気管内挿管グッズ、3段目に点滴ボトルやディスポーザブル処置用グッズ、そして1番下には吸引瓶や膿盆など…。
救急カートの裏には心臓マッサージ用のボードが設置されています。
ベッドはマットのせいで柔らかく沈みやすいので、効果的にマッサージを行う為にこのボードを背中に敷き込みます

サイドには吸引チューブと酸素ボンベ・アンビューバッグ・聴診器が設置されているので、
「○○さん急変

まずはこのカートと血圧計を持ってベッドサイドに駆けつけることになります

救急カートに積んである薬品や器具の細かい使用方法は教科書などに載っていると思うので、今回は新人看護師さんに日頃から意識しておいて欲しいことについてお話します

@救急カートの点検
救急カートの点検は1日1回は必須です

フロアによって多少違いますが、深夜帯の業務として救急カートの点検を挙げているところが多いようです。
(中身のチェックなのでどの勤務帯にやっても基本的には同じことかもしれませんが…)
もちろん急変があって薬剤を使用した時や、物品を中央材料室に滅菌出しした時などは、その都度チェックリストに記入します。
同時に薬品・物品を請求したり補充したりしておきます

この点検業務は一緒に夜勤をしていると1年目が担当することがほとんどです。
たかが点検業務なのですが、一見単純に見える点検業務を通してしっかり勉強しましょう

例えば挿管の時に使用する喉頭鏡。
電球が切れていないかまできっちり点検しましょう

取り換え用の小さな豆球も入っているはずなので、切れそうな時は早めに交換しておきましょう。
分解して入っているハンドルとブレード、カチッとはめるのに結構コツがいります

慌てていると絶対に手が震えます

先生に
「喉頭鏡

と言われたらすぐにセットして渡せるように、点検を兼ねて練習しましょう。
あと、先生たちは喉頭鏡の事を
「マッキントッシュ

と呼ぶことがあります。
マッキントッシュとは実は喉頭鏡を作っているメーカーの名称です。
それでも
「喉頭鏡=マッキントッシュ」
で通じるくらい院内では当たり前のことなので覚えておきましょう

次に、挿管チューブの屈曲を維持するスタイレット。
挿管チューブは滅菌袋に入っているので取り出すことが出来ませんが、そこに挿入するところを想像しながら実際に曲げてみましょう。
挿管チューブからスタイレットの先端がはみ出すと気道損傷になる、というのを教科書で読んだことはありませんか

実際にスタイレットを触ってみると、その記述の意味がよくわかると思います。
結構硬くて太い針金状のものなので…。
気管内挿管・気管切開は医師しか行うことが出来ません

でも口腔エアウェイは看護判断で使用できます。
実際にどの向きで挿入するか、わかりますか

分からないと気付いた時にすぐ、教科書を見ましょう

何年目であろうと、この積み重ねが肝心です

…こんなふうに、救急カートの中を点検する時に実際に物品を触りながら取扱いに少しずつ慣れるようにするとよいでしょう。
また、救急カートには昇圧剤・血管拡張剤・抗不整脈薬・利尿剤などをはじめとする緊急薬剤が中心にセットされています。
そのため、実際に緊急事態が起きた場面に遭遇しないと手にすることもあまりないような薬品もたくさんあります。
それでも薬剤の種類とミリ数、保管場所は正確に覚えましょう。
実際に緊急時の直接介助をするのはもう少ししてからかもしれませんが、
最低限どこに何がしまってあるのか理解しておきましょう

A救急カート以外に常置されている薬剤・物品の確認
あと、病棟には救急カート以外の場所にも「常置薬」が定数化されて保管されています。
使用頻度が高い開始液やブドウ糖液、局所麻酔、向精神病薬の他、内服薬や湿布、座薬などがそれぞれの棚やカギ付き金庫、冷所保存されているはずです。
定数の確認をしながら、何がどこに、何個あるのかを覚えてしまいましょう。
いざという時に慌てないように

急変は何の前触れもなくやってくる…

日頃からもしもの時を想定して点検業務を行いましょう。
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